塩より万能!? 
素材の旨みがアップする「塩麹」のつくり方

posted:2020.6.12

「塩麹」は、米麹と塩を合わせて水をなじませ、常温で発酵させるだけでできる便利な調味料です。麹が生み出す酵素のはたらきで肉や魚がやわらかくなったり、食材の中まで味が浸透しやすくなったり、しょっぱさが和らいだりするなど、不思議なチカラを持ちます。

材料
乾燥米麹・・・200g
塩(自然塩)・・・60g
水(ミネラルウォーター)・・・300ml
準備物
ボウル、スプーン、保存用容器

\ つくり方 /

はじめに

手を清潔に洗う。

ボウルに米麹を手でほぐしながら入れる。

に塩を入れ、手でもみ込むようにして米麹と塩をしっかりと混ぜ合わせる。

に水を少しずつ注ぎ入れ、スプーンで全体がしっかりと馴染むまで合わせる。

清潔な保存用容器に を入れ、密閉せずに軽くフタをする(ラップでフタをして軽く穴を開けておくのでもよい)

直射日光が当たらない室内に置き、均一に発酵させるために1日1回スプーンでよくかき混ぜる。

〈 ポイント 〉酵素作用による糖化・分解が均一になるようによくかき混ぜます。塩分濃度が低いところがあると腐敗の恐れもあるため、よく混ぜてください。

写真は仕込んでから7日目の様子

1週間から2週間ほどで、ほのかな甘い香りと程よい塩加減になり、米麹の粒を指でつぶせ、とろみがついてきたら完成。完成後は冷蔵庫で保存し、その際にも密閉しないようにしましょう。

? どんな発酵 ?

塩麹に使用する米麹は、蒸した米に麹菌を生育させたもの。この米麹に水を加えて室温で置くと酵素が動き出し、米麹の米の形がなくなるほど分解し、米のデンプンが糖に変わります。さらに、でき上がった塩麹に肉や魚を漬けると、麹に含まれているタンパク質分解酵素が肉や魚の一部を分解することで、やわらかくなります。同時に、水分と一緒に糖が肉や魚の中に入り込むことで、ふっくらとした食感になるのです。

解説:金内誠(宮城大学 教授)/麹菌の詳細についてはこちら

\ たのしみ方 /

麹を入れることで塩のカドが取れ、マイルドな優しい塩味に。魚料理、肉料理はもちろん、野菜炒め、卵料理など、塩の代わりに何でも使えます。卵かけごはんに使えば、卵の旨みがダイレクトに味わえるのでおすすめです。完成した塩麹をミキサーにかけてペースト状にすると、より使いやすくなります。舌触りがよくなり、食材ともなじみやすいです。冷蔵庫で6か月ほど保存が可能です。

〈レシピ監修〉大島今日
1991年、宇都宮「オーベルジュ(現オトワレストラン)」にて料理の世界へ。24歳で渡伊。本場イタリアンレストランで3年間修行し、帰国後、東京丸の内「リストランテ・ヒロチェントロ」の料理長として就任。
その後、アル・ケッチァーノを経て、(株)フードアンドパートナーズへ。「Kouji & ko」のメニュー開発に携わる。発酵の旨みや香りを最大限に引き出し、おいしく、健康に配慮した料理を得意とする。