魚介系の発酵食品の代表的存在である「イカの塩辛」。イカの下処理方法を覚えてしまえば、難しいことはありません。臭みがなく、プリプリ新鮮な自家製塩辛は、お箸が止まらないおいしさです。
手を清潔に洗う。保存容器、まな板を消毒しておく。イカを解凍しておく。
イカの胴体と肝がくっついている部分を指ではがし、肝を破らないようにそっと引き抜く。
イカの目の部分あたりで肝と下足を切り離す、肝に付いている内蔵と墨袋を取り外す。(※下足は今回使いません)
肝にべた塩をまぶして冷蔵庫で2~3時間寝かせながら脱水する。
胴体はエンペラ(三角の耳部分)と軟骨を取り、内側から包丁を入れて開き、キッチンペーパーで皮を剥がして取り除く。(※エンペラは今回使いません)
4を水で洗ってキッチンペーパーで水気を拭き取り、ザルにのせて両面に軽く塩をふる。冷蔵庫で30分ほど寝かせると水分が出てくるので、酒で洗う。
5の水気をキッチンペーパーで拭き取り、ザルにのせたまま扇風機の前に置き、風をあて乾かす。
〈 ポイント 〉 途中で裏返して両面を乾かすようにしましょう。
3を日本酒で洗い、水分を拭き取ったら口部分を除き、肝の薄皮に切り込みを入れて肝を取り出し、たたいてボウルに移す。
6を5~10㎜に切り、7に入れて醤油と共に混ぜ合わせる。
保存容器に移し冷蔵庫で発酵熟成させる。2日目からおいしく食べられますが、3日目ぐらいからがおすすめです。
〈 ポイント 〉 1週間を目途に食べきるようにしましょう。
イカの塩辛は塩分が濃いので、乳酸菌などの微生物発酵による関与は少ないです。ところが肝には酵素が詰まっており、特に強いたんぱく質分解酵素がイカの身に作用することで旨みを与えます。よってイカの塩辛は酵素による発酵食品といえるでしょう。
解説:金内誠(宮城大学 教授)
日本酒をいただくために生まれたのか? と思うくらいに相性が良いことは周知のとおり。炊き立てのご飯やお茶漬けにもうってつけです。さらにはバターとパスタに絡めてもよし、パンにチーズと共にのせてトーストにしてもよし! 可能性は無限大です。