チューブにんにくの代わりに常備したい
「にんにく麹」のつくり方

posted:2025.10.17

炒め物や下味つけに欠かせない「にんにく」。どんなジャンルの料理にも合い、香りはもちろん、パンチを加えたいときなどにも重宝します。ただし、調理の度に生のにんにくを使うのは少し面倒くさい。そんな方におすすめしたい、万能にんにく調味料です。

材料
乾燥麴・・・200g
にんにく(皮を剥いたもの)・・・100g
自然塩・・・60g
水・・・260g
準備物
まな板、包丁、おろし金、スプーン、保存容器(800mlが目安)、ボウル

\ つくり方 /

はじめに

手を清潔に洗う。保存容器、調理器具を消毒しておく。

ボウルに乾燥麴を手でほぐし入れ、塩を加えて混ぜ合わせる。

皮を剥いたにんにくをおろし金ですりおろす。

〈 ポイント 〉 にんにくは多少角が残っていても分解されるので大丈夫。フードプロセッサーを使うのもおすすめです。

保存容器に1と2、水を入れてよく混ぜ合わせる。

ラップをして直射日光の当たらない場所で保管をし、1日1回清潔なスプーンで混ぜ合わせる。

夏は1週間、冬は2週間を目安に麹が柔らかくなるまで発酵させて完成。その後は冷蔵庫で保存してください。

〈 ポイント 〉 3か月を目処に食べ切ることをおすすめします。

? どんな発酵 ?

にんにく麹に使用する米麹は、蒸した米に麹菌を生育させたもの。この米麹に水を加えて室温で置くと酵素の一つであるアミラーゼが動き出し、米麹の米の形がなくなるほど分解し、米のデンプンが糖(ブドウ糖や麦芽糖)に変わります。また、麹菌にはタンパク質分解酵素であるプロテアーゼが含まれており、にんにく麹に肉や魚を漬けると、肉や魚の一部が分解され、素材がやわらかくなります。
さらに麹菌は発酵の過程でビタミンB群を生成します。そのため、ビタミンB1を豊富に含んでいる豚肉をにんにく麹に漬け込むことで、ビタミン強化ができます。また、すりおろしたニンニクに含まれる成分アリシンには、ビタミンB1の吸収を促進する働きがあり、栄養価が高くなります。

解説:金内誠(宮城大学 教授)/麹菌の詳細についてはこちら

\ たのしみ方 /

香り穏やかで旨みたっぷりのにんにく調味料。炒め物や素材の下味にはもちろんのこと、さまざまな場面で大活躍してくれます。茹で上げパスタとオリーブオイルに加えるだけで、お手軽ペペロンチーノが完成。手づくり餃子をつくるなら、素材とにんにく麹だけでおいしく自然な味に仕上がります。相性抜群の豚肉を漬けて焼くだけで、柔らかく旨みのある豚丼のできあがり!

〈レシピ監修〉大島今日
1991年、宇都宮「オーベルジュ(現オトワレストラン)」にて料理の世界へ。24歳で渡伊。本場イタリアンレストランで3年間修行し、帰国後、東京丸の内「リストランテ・ヒロチェントロ」の料理長として就任。
その後、アル・ケッチァーノを経て、(株)フードアンドパートナーズへ。「Kouji & ko」のメニュー開発に携わる。発酵の旨みや香りを最大限に引き出し、おいしく、健康に配慮した料理を得意とする。