濃厚な旨みと甘さがたまらない、
「麦味噌」のつくり方

posted:2025.11.7

大豆、麹、塩の3つの材料からできる味噌。麦麴をたっぷりと使用した「麦味噌」は、主に九州地方で親しまれている味で、濃厚な旨みと甘さが特徴です。

材料
大豆・・・150g
麦麹・・・720g
自然塩・・・100
準備物
ボウル、保存容器、鍋、マッシャー、ラップ

\ つくり方 /

はじめに

手を清潔に洗う。保存容器を消毒しておく。

軽く大豆を洗い鍋にたっぷりの水(1ℓほど)とともに入れ、前日から浸す。

〈 ポイント 〉 浸水後の大豆。乾燥大豆の2倍くらいに膨れます。

大豆の水をよく切ってから鍋に戻し、新しい水をたっぷり(1ℓほど)加えて火にかける。3〜4時間弱火でゆっくりと煮て、指で簡単につぶせるくらいまで煮る。

〈 ポイント 〉 圧力鍋がある場合は、圧力鍋で煮てもよい。

ボウルに塩と麦麹を入れ、よく混ぜ合わせる。

煮終わった大豆と煮汁を分ける(煮汁は取っておく)。大豆を鍋に戻し、マッシャーでペースト状になるまでつぶす。

4の粗熱が取れたら、3を入れ混ぜ合わせる。

〈 ポイント 〉 手で握って、まとまる程度の柔らかさに。水分が足りない場合は、煮汁をたす。

5を子どものこぶし大に丸め、空気を抜くように全体的に押しつけながら平らに詰めていく。

全部詰め終わったら表面にラップを敷き詰めて冷暗所で寝かせる。

〈 ポイント 〉 仕込んで1か月後の様子

? どんな発酵 ?

米味噌は米麹を使いますが、麦味噌には麦でつくった麦麹を使います。麹菌は麹にため込んだ酵素を味噌の醸造中にはき出し、大豆と麹の中のデンプンをゆっくりと溶かし、糖をつくっていきます。つまり、原料の麦麹の量が多いと必然的に糖が多くなり、より甘くなるのです。
また、味噌の醸造中にはこの糖を栄養素に、乳酸菌や耐塩性酵母も生育していきます。乳酸菌や酵母は、味噌の風味を出す重要な役割を持ちます。なお家庭で仕込むときにはこれらは生育しないこともありますが、それでも十分においしい味噌ができます。

解説:金内誠(宮城大学 教授)/麹菌の詳細についてはこちら

\ たのしみ方 /

米味噌と同様、さまざまな使い道のある麦味噌。みそ汁をつくれば甘み溢れるやさしい味に。お酒のアテや温かいごはんにのせたり、納豆と混ぜたりしても美味。マヨネーズと麦味噌を混ぜて新鮮な野菜にディップすれば、手が止まらないおいしさです。魚や肉を漬け込めば、自然な甘味の味噌漬け焼きがつくれます。

〈レシピ監修〉大島今日
1991年、宇都宮「オーベルジュ(現オトワレストラン)」にて料理の世界へ。24歳で渡伊。本場イタリアンレストランで3年間修行し、帰国後、東京丸の内「リストランテ・ヒロチェントロ」の料理長として就任。
その後、アル・ケッチァーノを経て、(株)フードアンドパートナーズへ。「Kouji & ko」のメニュー開発に携わる。発酵の旨みや香りを最大限に引き出し、おいしく、健康に配慮した料理を得意とする。