カルピス®

わたしたちの身近にある発酵食材。
常備している人が多いものの、
その食べ方のレパートリーは意外と少ないかもしれない。

そこで世界の料理に精通する森枝幹シェフが、
アレンジレシピを考案。

自宅の台所から、世界の食卓へ出かけてみよう。

今回のお題は「カルピス®」。

カルピス®を使ったひんやりドリンクメニューとは!?

カラダをひんやり癒す
「コーヒーゼリーとカルピス®&ミルク」
「あんことバナナのカルピス®

posted:2022.7.22

夏本番、冷たいドリンクやスイーツがおいしい季節がやってきた。大阪・梅田に登場した〈発酵 CALPIS® PARLOR〉ではカルピス®のアレンジメニューが味わえるとあって、連日多くの人でにぎわっている。

今回は、このパーラーに負けないカルピス®を使ったひんやりドリンクを森枝さんが考案してくれた。後半は、新発売の「カルピス®ゼリー」のアレンジレシピも登場する。シンプルなのに奥深い、森枝さんのカルピス®ワールドへ、いざ。

〈発酵 CALPIS® PARLOR〉大阪・梅田にオープン!

日本の食文化に欠かせないものであり、いま国内外から注目されている「発酵」。「もっとより多くの人々に、発酵のおいしさと健康を伝え、幸せな気持ちになって欲しい」――そんなコンセプトのもと、大阪・梅田に〈発酵 CALPIS® PARLOR〉がオープンしている。

お店の定番メニューは「ヨーグルトとカルピス®」「甘酒とカルピス®」「もろみ酢とカルピス®」の3種類。おいしそう! でも梅田までは行けない…。そう思った皆さんに朗報です。「希釈用のカルピス®があれば、おいしくて体にいい発酵ドリンクはおうちで簡単にできちゃいます」と森枝さん。

「夏だから、たっぷりと水分補給をしたいですよね。単調な味だとたくさんは飲めないけれど、味や食感の変化に富むドリンクなら、楽しみながらしっかり水分をチャージできます。発酵食品のカルピス®ならカラダにもうれしいので一石二鳥。なるべくおうちで手に入りやすい材料で、なおかつ簡単にできるレシピを考えてみました」(森枝さん)

そう言って紹介してくれたドリンクレシピは2つ。まろやかな甘みと大人の苦味が溶け合う「コーヒーゼリーとカルピス®&ミルク」と、タイプの異なる3種類の甘みが楽しめる「あんことバナナのカルピス®」だ。

「カンタン」との言葉通り、どれも混ぜるだけ。ずいぶんシンプルに見えるけれど、材料の分量を調整すればガラッと味が変わるのも面白いところ。自分の好みを研究しながらつくってみよう。

「コーヒーゼリーと
カルピス®&ミルク」のつくり方

用意するものは、市販のコーヒーゼリーと牛乳、そしてカルピス®。氷もぜひ準備して。

「まろやかなコーヒーゼリーの味わいは、やさしい酸味のあるカルピス®とも好相性。しかも、つるんとしたコーヒーゼリー、とろっとしたカルピス®&牛乳、さらにガリガリとかめる氷という組み合わせの食感は、一緒に食べると口の中で『オヤッ?』という驚きを生み出します」(森枝さん)

まず、計量カップに、カルピス®と牛乳を1:3(あるいは4)くらいの割合で希釈する。続いてコップの半分まで氷を入れて、その上にスプーンですくったコーヒーゼリーをぷるん、ぷるんと乗せていく。

「盛り付けるときは、コーヒーゼリーが上にくるように。これがかわいく見せるコツです」(森枝さん)

よく混ぜたカルピス®&牛乳をコップに注ぎ入れれば、コップの底の氷の層がホワイトになり、ゼリーのブラックと相まって、あっという間にモノトーンのおしゃれな一杯が完成!

「あんことバナナのカルピス®」のつくり方

続けて、さらに一品つくってみよう。市販のゆであずき、バナナ、氷、カルピス®を用意する。

「これからつくるのは、いわば“カルピス®の冷やしバナナぜんざい”。バナナの完熟度や氷の量によっても味わいが変わります。ぼく自身は、まったりと濃厚な味わいにするのが好き」(森枝さん)

まずはカルピス®(150ml)に水(100ml)を加えよう。今回は後ほど氷が入るので、ちょっと濃いめにつくるのがコツだ。

バナナとゆであずきを入れた容器に濃いめにつくったカルピス®を加え、氷と合わせてブレンダーでガリガリと攪拌(かくはん)すれば、もう完成!

「さっぱりとしたテイストがお好きなら、バナナの量を半分にして氷を多めに。とろりとした口当たりと甘みに癒されたければ、完熟バナナを使ってカルピス®を多めにしてみてください」(森枝さん)

アレンジいろいろ!
「カルピス®ゼリー」の味わい方

ちなみに、大阪・梅田の〈発酵 CALPIS® PARLOR〉ではカルピス®ゼリーなる新商品も目玉になっている。オンラインショップでも入手が可能で、お中元としても人気だそうだ。

森枝さんに試食してもらうと、「なるほど、ありそうでなかったゼリータイプですね」と缶を手に取り、手際よく振ってグビグビ。

「おお、ゼリーがどんな状態で飛び出してくるのかがわからない分、スプーンで食べるのとは一味ちがう楽しさがありますね。振る回数によっても味が変わりそう。気軽に食べられるし、お腹にたまる感じもするし。確かにプレゼントにもぴったりかも」(森枝さん)

そう話すそばから5種類の「発酵ソース」にも興味津々。これらは発酵食材とフルーツからつくられたソースで、カルピス®ゼリーのボトルに混ぜて振ると全く新しい味になるという。5種類の味を確かめた森枝さん、一番のお気に入りは?

「ぼくは『ヨーグルト&キウイ』が好き! キウイってちょっとイガイガする瞬間があるけれど、そこをヨーグルトの丸みが上手にカバーしています。発酵ならではの丸みがいい仕事をしていて、これならキウイが苦手な人でも食べられそうですね」(森枝さん)

ほか、「りんご酢&白桃」や「発酵りんご&オレンジ」も酸味のバランスがよいと太鼓判。

「アレンジしやすそうですね」と冷蔵庫をのぞいていた森枝さん、甘酒とココナッツミルクをとりだして、「このゼリーでおいしい2品、つくってみましょうか!」

「カルピス®ゼリー」で
ひんやりスイーツをつくろう

用意したのは、甘酒とココナッツミルク、カルピス®ゼリー1缶。そして、サクランボ、スイカ、キウイ、パイナップル、マンゴーといったフルーツ類だ。

ガラスの器を2つ用意し、それぞれにゼリーを入れて、一つに甘酒、一つにココナッツミルクを注ぎ入れる。

「最後に、それぞれの器に限界までフルーツをのせれば、できあがり! フルーツは手に入ったものでOKです。パフェのようなイメージで盛り付けてみてくださいね」(森枝さん)

カルピス®オリジナルドリンク&
スイーツを実食

さて、ここまでにつくったドリンク&スイーツ4種類をテーブルに並べれば、まさに、おうちに出現したオリジナル・パーラーだ。発酵ソースやカルピス®、氷、フルーツなども並べて、スイーツパーティのはじまり、はじまり。

まずは「コーヒーゼリーとカルピス®&ミルク」にスプーンを入れた森枝さん。「コーヒーとカルピス®、よく合う!」と笑みがこぼれる。

「カルピス®にほんのりと酸味があるから、練乳をかけるよりもずっと爽やか。コーヒーゼリーのコーヒーがミルクの中に溶け出して、つくりたてのときよりおいしくなっています。食べる直前に追い氷をして、ガリガリかみながらいただくのもオツですよ」(森枝さん)

続いて「あんことバナナのカルピス®」へ。以前に「カルピス®のお汁粉」をつくったときから、小豆とカルピス®の“ベストコンビ説”を唱えてきた森枝さんだ。今回のレシピも「相性バッチリ!」。

「ほっこり系の小豆の甘さと、爽やかなカルピス®の甘酸っぱさ、そこに加えて今回はバナナのまったりとした濃厚な甘さも加わっていますから、複雑で滋味深いドリンクになりました。けっこうお腹にたまるから、小さな器に盛りつけて食後のプチデザートにするのもいいし、朝ごはんにもよさそうですよ」(森枝さん)

お次は「カルピス®ゼリー」部門へ。ココナッツミルクを注いだ方のゼリーを手に取った森枝さん、「これは“追いソース”がお楽しみなのです」とニンマリ。

「ココナッツミルクの方は甘さが控えめなので、発酵ソースを足しながら食べるのがオススメ。5種類のどれを入れてもトロピカルな味わいが楽しめますよ。甘酒の方は、発酵のパワーを持つもの同士、いわずもがなの好相性。よくなじんでいます」(森枝さん)

夏バテを吹き飛ばす朝ごはんに、火照った体をやさしく冷やす3時のおやつに、疲れた夜の癒しのヘルシースイーツに、いずれのタイミングにもピッタリのカルピス®レシピたち。ぜひ、気軽にお試しを。

Recipe
「コーヒーゼリーとカルピス®&ミルク」

〈材料〉2人分
コーヒーゼリー(市販)1個
牛乳 250ml
カルピス®(希釈用)70ml
氷 適量
〈つくり方〉
1.牛乳とカルピス®を計量カップに注ぎ、混ぜる。
2.コップに氷とコーヒーゼリーを入れて、1を注ぐ。

Recipe
「あんことバナナのカルピス®

〈材料〉2人分
ゆであずき(市販) 100g
バナナ 1本
カルピス®(希釈用)70ml
水 200ml
氷 適量
〈つくり方〉
1.牛乳とカルピス®を計量カップに注ぎ、混ぜる。
2.カップにバナナとゆであずき、1、氷を入れ、ブレンダーで攪拌(かくはん)する。

Recipe
「カルピス®ゼリー」のアレンジ

〈材料〉2人分
カルピス®ゼリー 1缶
甘酒 適量
ココナッツミルク 適量
フルーツ類(サクランボ・スイカ・キウイ・パイナップル・マンゴー) 適宜
お好きな発酵ソース
〈つくり方〉
1.2つ用意したガラスの器に、それぞれカルピス®ゼリーを盛る。
2.一方に甘酒を、もう一方にココナッツミルクを注ぐ。
3.カットしたフルーツを盛り付ければ完成。
4.お好みで発酵ソースをかける。
森枝幹(もりえだ・かん)
1986年生まれ。調理師専門学校を卒業後、オーストラリアへ留学。世界のベストレストランの常連「Tetsuya’s」で料理の基礎を学び、帰国後は京料理の「湖月」、分子ガストロノミーで有名なマンダリンオリエンタルホテル内「タパス モラキュラーバー」で料理人としての修行を積み、2011年に独立。下北沢の「Salmon&Trout(サーモン・アンド・トラウト)」のシェフを務めた後、2019年11月、渋谷パルコにタイ料理店「CHOMPOO(チョンプー)」をオープン。ほかにフードマガジンの発行や、レモンサワー専門店のプロデュースなど、従来の料理人に枠にとらわれず活動を続ける。父は写真家・食文化研究家として知られる森枝卓士氏。