発酵のぎもん

「発酵性食物繊維」とは?

腸活ととても深い関係にある「発酵性食物繊維(はっこうせいしょくもつせんい)」。腸内細菌が発酵しやすい(食べやすい)食物繊維のことで、腸内細菌に利用されやすい成分(プレバイオティクス)を指します。発酵性食物繊維は小腸では消化・吸収されず、大腸に届いたあとに腸内細菌のエサとなり、短鎖脂肪酸(酢酸・酪酸・プロピオン酸など)を作り出します。この短鎖脂肪酸が腸内環境を整えるのに役立つため、発酵性食物繊維は“腸活の主役”といってもいい存在なのです。

腸活におすすめの発酵性食物繊維

  • 主食
    もち麦・大麦・玄米・雑穀米・全粒粉パン・オートミール
  • 野菜
    ごぼう・玉ねぎ・長ねぎ・にんにく・アスパラガス・キャベツ
  • 果物
    バナナ(少し青め)・りんご・キウイフルーツ
  • 豆類
    納豆・大豆・ひよこ豆・レンズ豆
  • 海藻
    わかめ・もずく・めかぶ・こんぶ

腸活への具体的な効果とは?

発酵性食物繊維をとることで、下記のような効果が期待できます。

① 善玉菌が増える

ビフィズス菌などが増え、腸内フローラのバランスが改善されます。

② 便通改善

腸の動きが活発になり、便がやわらかくなります。

③ 免疫力サポート

免疫細胞の約7割は腸にあるといわれており、腸内環境が整うことで免疫バランスが整います。

④ 脂肪の蓄積を抑える

脂肪組織に栄養が取り込まれるのを防ぎ、脂肪の蓄積を抑えます。

⑤ メンタルにも影響

腸は「第二の脳」と呼ばれ、セロトニン(幸せホルモン)の多くは腸でつくられているため、腸内環境が整うとセロトニンの働きが安定しやすくなります。

発酵性食物繊維の上手なとり方

発酵性食物繊維は腸活にとてもいいのですが、とり方を間違えると「お腹が張る・ガスが増える」こともあります。大事なのは“量と増やし方”です。下記の点に注意して、上手に摂取するようにしましょう。

いきなり増やさない

発酵性食物繊維は腸内で発酵するため、急に大量摂取するとガスが増えたりお腹が張ったりします。少量からスタートしましょう。

水分をしっかりとる

食物繊維だけ増やして水分が不足すると、逆に便が硬くなることがあります。1日1.5〜2リットルを目安に、食事と一緒に水分をとるようにしましょう。

お腹が弱い人はFODMAPに注意

FODMAP(フォドマップ)とは、小腸で吸収されにくく、大腸で発酵しやすい糖質の総称です。FODMAPが大腸で一気に発酵すると、ガスが発生しやすいため、お腹が張ったり、下痢や便秘が悪化したりすることがあります。玉ねぎ・にんにく・大豆などは少量から様子を見るようにしましょう。

発酵食品と一緒に

発酵性食物繊維は菌のエサなので、菌そのものである発酵食品(納豆、味噌、ヨーグルトなど)とセットで摂取するのが腸活の黄金パターン。「もち麦ごはん×納豆」「ごぼう×みそ汁」「バナナ×ヨーグルト」などの組み合わせで、上手に両方とることができます。

即効性を期待しすぎない

腸内細菌は2〜4週間かけて変化します。毎日コツコツが基本。即効性を期待せず、地道に腸内環境を整えるようにしましょう。

監修:小泉武夫(こいずみたけお)
1943年福島県の酒造家に生まれる。農学博士。東京農業大学名誉教授のほか、全国の大学で客員教授を務める。専攻は醸造学・発酵学・食文化論。食にまつわる著書は140冊以上。国や各地の自治体など、行政機関での食に関するアドバイザーを多数兼任。発酵文化の推進ならびにその技術の普及を通じてさまざまな発展に寄与することを目的とした「発酵文化推進機構」の理事長も務める。 発酵文化推進機構公式サイト