うだるような暑さに食欲が落ちている人も多いのでは? キッチンに立って食事を用意するのも億劫・・・・・・。そんな方におすすめしたいのが、ある程度保存が効く発酵食品です。なかでも夏におすすめの「甘酒」「麹入りゆず胡椒」「水キムチ」という3つの発酵食レシピをご紹介。気力があるときにつくり置きして、暑いときこそしっかり食べて、夏バテ予防しましょう。
夏の季語でもある「甘酒」は栄養がたっぷりで、食欲がないときに飲む飲み物として最適。お米、米麹、水、塩を用意して、炊飯器で7〜8時間保温して発酵させるだけで、簡単につくれます。
原料の米麹は、麹菌を蒸米の上で生育させたもの。麹菌はさまざまな酵素やビタミンをつくり出し、甘酒にそれらが溶け出しているので、夏の栄養補給にもってこいです。お米を使うので腹持ちもよく、食事が取れないときに代わりに飲むのもおすすめ。
冷やしてそのまま飲むのはもちろん、バットに入れて凍らせた「甘酒シャーベット」も夏らしい食べ方です。バナナやマンゴー、ブルーベリーなどのフルーツと甘酒、ヨーグルトを一緒にブレンダーにかければ、あっという間にスムージーのできあがり。冷蔵庫で1週間、小分けにして冷凍で1か月ほど保存可能なので、暑い夏にぜひ活用してみてください。
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7〜9月に旬を迎える青ゆずと青唐辛子を使って仕込みたいのが、自家製「ゆず胡椒」。ゆずの爽やかな香りと唐辛子のピリッとした辛さが、食欲を刺激してくれます。米麹を入れることで、発酵熟成による味変が楽しめるレシピです。
すりおろした青ゆずの皮と果汁、刻んだ青唐辛子に塩と米麹を加え、フードプロセッサーで撹拌(かくはん)してつくる、ゆず胡椒。麹を入れることで発酵を促進する力が強くなり、熟成が進むと、麹の原料であるお米から甘味と旨みがもたらされます。この味が塩辛さをマイルドにし、程良い辛さになります。
焼き鳥や餃子、冷奴などに添えたら、あっという間に上質な居酒屋メニューの完成。ゆずサワーやレモンサワーにほんの少し入れると、辛みと香りが後を引くオリジナルサワーに早変わりします。塩分補給もできて暑い夏には最適ですね。青ゆずと青唐辛子が一緒に出回る短い期間にしか仕込めない、麹入りの「ゆず胡椒」。つくってすぐのパンチのきいた辛さと、1か月ほど発酵熟成させた後のまろやかな旨みの味比べを楽しんでみて。
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さっぱりとした漬け汁ごと味わう、韓国ではおなじみの「水キムチ」。お米のとぎ汁とお好みの野菜で手軽に仕込めるレシピです。仕込んでから1週間ほどで、植物性乳酸菌がたっぷりな、夏に欠かせない常備菜が完成しますよ。
手順は、お好みの大きさに刻んだ野菜と唐辛子を、漬け汁(お米のとぎ汁・塩・砂糖・ニンニク・生姜)に漬けて発酵させるだけ、ととっても簡単ですが、漬ける工程によって、野菜の細胞から水と共に糖が流出します。この糖を餌として、乳酸菌が生育し、乳酸を生成。これにより、酸味が増すだけでなく、香りや旨みなどの風味が加わります。
一般的な漬け物と同様、箸休めとしても楽しめ、サッと茹でた豚肉と一緒に盛り付ければ、食事のメインになる「冷しゃぶ」のできあがり。また、水キムチの汁をめんつゆで割ると、夏の定番・そうめんのつけだれに。野菜も一緒に味わえる冷麺風そうめんは、夏の間何度でも食べたくなる逸品です。
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「甘酒」に「麹入りゆず胡椒」「水キムチ」という、この夏冷蔵庫に常備しておきたい発酵レシピをご紹介しました。どのレシピもスーパーなどで手に入りやすい材料や、夏に旬を迎える野菜で仕込める発酵食品です。火もほとんど使わないので、暑さに負けずにぜひ試してみてくださいね!