発酵で巡る!〈発酵ツーリズム東海〉で、
2つの展覧会と50蔵、100のうまみ体験を楽しもう!

posted:2025.6.6

発酵をテーマにした、展覧会とちょっと特別な旅〈発酵ツーリズム東海〉が、約2か月にわたり開催中です。
東海エリア3県(愛知・岐阜・三重)で、展覧会や発酵体験ツアーを楽しめるさまざまなプログラムがあり、発酵デザイナーの小倉ヒラクさんがナビゲーターを務めています。

東海といえば、発酵の宝庫!

豆味噌(赤味噌)やたまり醤油など、大豆だけで仕込まれる濃厚な旨みが特徴の東海地方。でも、実はそれだけじゃありません。小麦を使った香り軽やかな「白醤油」、甘酒と米焼酎からつくられる「本みりん」、酒粕から生まれる「赤酢」 など……。
この地域に広がる豊かな自然とともに、山や海、山間部、海沿いなど、それぞれの環境で漬物やおすしなど、たくさんの発酵食が生まれてきました。

ヒラクさんは、彼が旅してきた世界各地、日本各地の発酵文化のなかでも「東海地方は、日本屈指、いや世界屈指の“うまみ”が集まる場所」だと語ります。

同じ東海地方でも、県によって特徴が異なるので、発酵というキーワードを軸に各地を巡るのも楽しそうです。

愛知県
運河や港が発達し、江戸へ酒や酢を運んでいた歴史が。黒壁の蔵が残る町並みは、散策にもぴったりです。

岐阜県
海のない岐阜では、「肉漬け」や「漬物ステーキ」「郡上味噌」など、山の発酵文化が独自に進化。江戸徳川家に送った長良川鵜飼の鮎熟れ鮨など川の発酵もあります。

三重県
伊勢神宮のある三重は“もてなし”の文化が根付く土地。お寿司や鰹節など、来訪者を迎えるための発酵食が発達しました。

展覧会も見どころたっぷり!
岐阜と三重の2か所で開催中

会期中は、その土地ならではの発酵文化を知り深める展覧会を、岐阜県岐阜市と愛知県半田市の2つの会場で実施しています。

【岐阜】うまみの聖地巡礼展 @ぎふメディアコスモス

JR岐阜駅または名鉄岐阜駅から車で15分ほどの「ぎふメディアコスモス」を会場に実施しているのが「うまみの聖地巡礼展」。全国47都道府県の発酵食が一堂に会した展覧会です。

会場に入ると、全国各地の発酵食が展示された「ローカル発酵食品マップ」が迎えてくれます。

例えば、青森の「ごど」、福島の「三五八漬け」、長野の「すんき漬け」など……、日本中の知られざる発酵食と出合えます。

東海地方の“うまみ”をキャラクター化した「うまみ神」も登場! 東海コーナーでは、うまみ神が鵜飼船に乗って、愛知・岐阜・三重の“うまみワールド”へといざないます。

岐阜、三重、愛知それぞれの地域ごとの特徴も学べる展示。豆味噌・たまり・日本酒のほか、岐阜の「漬物ステーキ」や三重の「養肝漬」、愛知の「白醤油」などが紹介されています。

また、岐阜会場では、期間限定で〈発酵デパートメント東海〉もオープン! 全国の発酵食品や、オリジナルのTシャツ、手ぬぐいなど、楽しいグッズも販売中です。

なお、この会場は建築家・伊東豊雄氏が設計した建物で、図書館など兼ね備えた総合施設。波打つ天井など、心地いい空間で、建物自体も訪れる価値ありです。

うまみの聖地巡礼展

実施日時:2025年5月17日(土)〜7月13日(日)
会場:ぎふメディアコスモス
会場時間:10:00〜17:00

※入場無料(予約不要)
※期間中、5月27日 · 6月24日(毎月最終火曜)は休館日となります。
※ぎふメディアコスモスの開館時間とは異なりますのでご注意ください。

【愛知・半田】すしの千年を巡る旅展 @MIZKAN MUSEUM

酢の名産地である半田では、JR半田駅から徒歩約3分の「MIM(MIZKAN MUSEUM)」館内にある「MIMホール」を会場に、“すし”の歴史を辿る展覧会を開催中。
なれ寿司、押し寿司、箱寿司、江戸前寿司など……、時代や地域によって姿を変えてきた「すし」の物語を体感できます。

こちらに訪問の際には、体験型博物館「MIZKAN MUSEUM」の見学もぜひお忘れなく(要事前予約)。江戸時代の酢づくりの様子や、醸造の技術、伝統的な食文化の歴史や魅力について、見て触って、楽しみながら学ぶことができます。

「MIZKAN MUSEUM」の常設エリア(予約制・有料)

また、会場から徒歩圏内の半田運河周辺も、合わせておすすめしたい散策スポット。運河沿いにはいくつもの醸造蔵の黒壁が建ち並び、江戸の面影を今に伝えています。そんなエリアにあるセレクトショップ「_unga(スペースウンガ)」がイベント期間中、公式グッズ取扱店となります。

実施日時:2025年5月17日(土)〜7月13日(日)
会場:MIM(MIZKAN MUSEUM)内、MIMホール
会場時間:9:30〜17:00

※入場無料(予約不要)
※期間中、木曜は休館日となります。

東海だから、発酵ツーリズムだからこそ、
体験できるツアー

ヒラクさんと一緒に巡る発酵ツアーも見逃せません。新幹線1両をまるごと貸し切った「発酵新幹線ツアー」では、東京から名古屋までの道中、蔵元や舞妓さんと一緒に発酵トークや古酒・クラフトビールを楽しみました。三重では「すしの千年を巡る旅」と題し、世界の寿司文化を味わえるサミットも開催されました。

会期後半のツアーも「知多半島発酵電車旅(愛知)」「発酵お伊勢参り(三重)」「長良川流域発酵紀行(岐阜)」など、タイトルを見るだけでも興味をそそられるお楽しみの内容が盛りだくさん!(いずれも予約が必要)

また、各地の蔵元やプロフェッショナルによるコースも必見です。
6月に2回予定されている「岡崎 暮らし感光ツーリズム」では、八丁味噌の老舗2社〈カクキュー八丁味噌〉と〈まるや八丁味噌〉がタッグを組んだツアーを実施。

両者の社長や副社長から直々に蔵案内をしてもらえたり、味噌玉づくりや味噌を使った料理体験ができたり、八丁味噌の文化的な価値を知れるまたとない機会です。

ほかにも、全国の発酵料理を味わう「味で旅する発酵ごはんの会」や「発酵調味料講座」「味噌作り体験」「醤油仕込み体験」など、発酵にまつわる100以上の魅力的な体験が目白押しです。

これらの発酵を楽しむツアーは、〈発酵ツーリズム東海〉公式サイトに、県ごとやテーマ別で紹介されています。楽しそうなツアーが多すぎてどのコースに参加すればよいのか迷う方もいるかもしれません。そんな時は「行きたい県、行ってみたかった町」「食べてみたかったもの」を軸に、発酵ツーリズムで現地に足を運んでみるのもいいでしょう。

各会場で販売されている「公式ガイドブック」には、発酵の分布マップやおすすめルートも掲載されています。

旅の後も発酵を

旅先で出合った調味料やお酒を持ち帰れば、おうちでも“発酵旅の思い出”を楽しめます。
味噌や醤油、酢といった日々の調味料も、つくられている場所を訪れて「こんなふうにできてるんだ」を知ると、また違った味わいになるかもしれません。

発酵とともに、町も、人も、景色も、丸ごと味わう〈発酵ツーリズム東海〉。
さあ、あなたも“うまみの聖地”へ旅してみませんか?

information

〈発酵ツーリズム東海〉

開催期間:2025年5月17日(土)〜7月13日(日)
公式サイト:https://tokaihakko.net
Instagram:https://www.instagram.com/tokaihakko/