発酵でリトリート! 
老舗・種麹屋が仕掛ける〈麹・発酵ホテル〉って?

posted:2024.2.16

「サウナで整い、仕込み水で潤い、発酵食品で活きる」をコンセプトにした〈麹・発酵ホテル〉が、鹿児島空港から徒歩でも10分圏内という立地に2024年2月18日にグランドオープン。〈きりしま高原麦酒〉とその親会社の老舗・種麹屋〈河内源一郎商店〉が運営しており、食事はすべて麹を使った料理づくし&飲み放題でオールインクルーシブ! 麹づくりや甘酒づくり、味噌・醤油づくりなども随時開催と、まさに五感で発酵を体感できるホテルです。

〈麹・発酵ホテル〉ってどんなホテル?

鹿児島空港の目と鼻の先にある、麹と発酵をメインにしたテーマパーク〈バレル・バレー プラハ&GEN〉内に〈麹・発酵ホテル〉はあります。その名の通り、チェコのプラハをイメージしたカラフルな外観で、ダブルとセミダブルの部屋が全部で9室。ゆったりと過ごしたい人にはうってつけの環境で、麹や発酵を勉強したい団体での貸し切りニーズにも対応しています。

部屋にはデスク越しに中庭が見える広い窓が設えられています。マジックミラーで庭から部屋の中を見ることはできないので、中庭を見ながらゆっくり仕事をすることもでき、ビジネス利用にもおすすめです。

観光や仕事で疲れたら、共有のサウナで一息。お風呂の水は〈きりしま高原麦酒〉が仕込み水としても使用している地下水を汲み上げており、天然の保湿成分とも呼ばれる「メタケイ酸」が100ミリグラム以上含まれた、美肌効果が期待できる鉱泉水が使用されています。

睡眠にもこだわり、寝心地にこだわったサータ社製のマットレスと、南極探検隊のガウンにも使われている軽さと暖かさが際立つ東洋羽毛の掛布団を採用。体にやさしい自然光に近い照明で、サウナ後ほっとリラックスできる環境のなか、深い眠りにつけそうです。

麹づくしの発酵料理を堪能

〈麹・発酵ホテル〉では体の中から元気になってもらうために、必ず食事付きのプランが提供されています。パーク内でもともと展開されていたレストラン〈霧島麹蔵GEN〉で人気の塩麹や味噌、甘酒といった発酵食品を駆使した料理に加え、麹肥料で育てた蕎麦・米や健康野菜、自社麹による発酵飼料を食べて育った豚のしゃぶしゃぶなど、種麹屋ならではのメニューも並びます。

種麹屋とは、麹づくりに必要な原料である麹菌を育てている企業のことで、別名「もやし屋」とも呼ばれています。日本に数軒しかない種麹屋のなかでも、〈河内源一郎商店〉は焼酎用の「黒麹」「白麹」を最初に発見して広めた存在として有名で、日本の焼酎メーカーの実に約8割に麹を提供しています。

そんな種麹屋、自らが醸す汲みたての焼酎やできたてのビールも〈麹・発酵ホテル〉では飲み放題。それも一般には流通が難しい酵母や乳酸菌が生きたままのお酒も提供されます。さらに翌日までお酒を持ち越さないよう、アルコール分解の手助けをしてくれるオリジナルの麹サプリも提供されるとのことですから、至れり尽くせりです。

発酵について実習形式で学べる場としても

もともと〈バレル・バレー プラハ&GEN〉では、焼酎やビールの製造工場を見学でき、試飲も楽しめ、麹資料館で麹についての展示を見学することができました。そこからさらに突っ込んで発酵について学ぶことができるのも〈麹・発酵ホテル〉の醍醐味。様々な講座が実施できるようオープンキッチンを兼ね備えたスペースが設えられています。

ここでは“飲む点滴”とも呼ばれる「甘酒づくり教室」も随時開催されるほか、「製麹教室」では麹づくりの基礎から実習形式で学ぶことができます。これまでは麹を買って味噌を仕込んでいたという人も、自分で麹から仕込むことができるようになることを目指します。

ほかにも〈河内源一郎商店〉が主宰する〈日本麹ソムリエ協会〉による「麹ソムリエ研修」では、麹ソムリエの資格を取得できる3日間の集中講座も展開予定。春と秋は味噌・醤油づくり教室など、これまで河内源一郎商店が培ってきた発酵に関するさまざまなノウハウを学ぶ場が催されていく予定です。今後、麹を用いた美容クリニックも、ホテルに併設するかたちで開業予定とか。今後の展開が見逃せません。

宿泊するだけでも充分満足できそうな〈麹・発酵ホテル〉ですが、せっかくなら発酵について学び、五感で発酵を体感してみてはいかがでしょうか。

※教室や講座をご希望の方は、予約の際にお問い合わせください。

information

〈麹・発酵ホテル〉

address:鹿児島県霧島市溝辺町麓876-15
https://www.jalan.net/yad371827/